たま

MISS ミス・フランスになりたい!のたまのレビュー・感想・評価

4.0
主人公のアレックスが、少年のころ抱いた「ミス・フランスになりたい」という思いを描いた映画。

アレックスは両親を事故で亡くしてから、里親の元を転々とし、大人になってからも、自分の生き方を見つけられずにいた。
その時、再会した幼なじみが、ボクサーとして夢を叶えている姿を見て、自分も子供の頃の「ミス・フランス」になりたい…という夢をを叶えようと挑戦するというお話。

フランス映画には不思議な魅力がある。
何かを押し付けることなく、主張したい事も曖昧だ。

アレックスはトランスジェンダーなのかと思い見始めたけど、そんな感じゃなさそう。「女になりたいのか?」と聞かれれば違うと答える。
なぜ「ミス・フランス」になりたいのか?
その思いも最後まで分からない。

それでも、アレックス(アレクサンドラ)の美しさに見とれながら、性別なんてどうでもいいじゃんって気持ちになる。

クライマックスで、アレックスは両親への思いが溢れ出てくる。
両親の死から自分自身を見失っていたアレックスが、寛容で広い心を持った2人に愛され、両親のおかげで“人は何にでもなれる”という自由な発想を持てたことを思い出す。

母親のような存在のヨランダは勿論、コンテストのディレクターのアマンダ、筋の通った2人の女性が実はアレックスの良き理解者だったってのもいい。

「ミス・フランス」の華やかさと過酷さも覗けます。

アレックスを演じたアレクサンドル・ヴェテールはジェンダーレスモデルや俳優として活躍しているそうです。美しかったな。
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