アキラナウェイ

警官の血のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

警官の血(2022年製作の映画)
3.5
日本の小説が原作だそうで。

佐々木譲による同名警察小説を韓国の製作陣で映画化。警察なのにほぼヤクザかな?という「孤狼の血」を彷彿させる、警察内部の闇を描く。

ある夜、一人の警官が殺害される。裏で糸を引く人物として浮上したのは、出処不明の莫大な後援金を受け、高い検挙率を誇る広域捜査隊のエース刑事パク・ガンユン(チョ・ジヌン)。彼を内偵調査するのは、殉職を隠蔽された警官の父を持つ新人刑事チェ・ミンジェ(チェ・ウスク)。広域捜査隊に配属されたミンジェが目の当たりにしたのは、裏社会に精通しながら違法捜査を繰り返すガンユンの姿だった—— 。

キャストが大好きなお2人。

役柄によって太る・痩せるも自由自在な「最後まで行く」「お嬢さん」のチョ・ジヌン。

素朴な顔立ちの、近所のお兄ちゃん感が漂う「パラサイト 半地下の家族」のチェ・ウスク。

警察内部の秘密組織。
謎が深まる金の流れ。

不正行為の疑いがかかるエース的存在のガンユンの身辺調査の密命を受ける新人刑事ミンジェ。

ガンユンにべったり張り付きながら盗撮・盗聴に励むミンジェをバレやしないかとドキドキしながら手に汗握って観てしまう。

チョ・ジヌンの大柄な体躯と顔面の圧は流石の存在感で、謂わば正義の為なら手段を問わない、とことん手を汚す姿には真相を疑いつつもカリスマ性を感じさせ、戸惑いながらも上司としてのガンユンに惹かれるミンジェの気持ちもよくわかる。

頼りない顔をしつつも、アクションのキレは良いミンジェ役のチェ・ウスクの演技も良い。

白と黒の境界線。
黒に染まらず、
グレーゾーンに立つガンユン。

悪徳警官に見えるが私服を肥やさず、ただ悪を捕まえるのみに執着する姿にこそ、真の警察官の姿を見た気がした。

とはいえ突き抜ける良さはあまり感じられず、かと言って何かが悪い訳でもない。個人的には平均スコアの3.5とする。

躊躇せずに暴力に走りがちな上司を止めようとしたら、ガチギレされて電動カッターでこめかみを切られるミンジェが気の毒過ぎるんだけど。パワハラの極みじゃん。