ベルリンの壁崩壊直前に倒れた社会主義を信奉する母。彼女が意識を失っている間に東ドイツはすっかり姿を変えてしまう。目覚めた母がショックを受けないように息子はニュース番組までつくって嘘をつき続けるが。。。
ドイツ統一から約10年後にできた映画が最近になってDVDに。
白井聡の「未完のレーニン」に取り上げらているこの作品。確かにこれはすごい映画だ。
最初は嘘をついてる姿に笑うだけなのだが、母と会うことがドイツ統一についていけない人たちの拠り所になっていくあたりから不思議な感覚に陥っていく。
この映画、どこに落としていくんだろう?と思って見てたらこうきたか。母の秘密が告白されてからは泣きながら色々なことを考えさせられた。
イデオロギーというのは嘘を信じ抜くことなのかもしれない。それは人間の弱さでもあり強さでもあると思う。でも最後は理想を信じて生きていくしかないんだろうなぁ。理想の社会を語ってしまう形となる嘘のニュース映像のラストはグッと来るものがあった。
何年経っても色褪せることない名作。