もこもも

グッバイ、レーニン!のもこもものレビュー・感想・評価

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)
4.3
ドイツの歴史上最も激しく変化した8カ月の間心臓発作で倒れていた母と優しい嘘を貫く息子を描いた心温まる名作映画

めっちゃいい映画
東ドイツから統一ドイツになる
激動の変化を知ることが出来て、
その過程をただ重く描くのではなく
コメディタッチに描いていて、
家族の再生と想いの強さに心温まって、
終盤はしんみり、悲しくなるけど
ラストは爽やかな優しさに包まれる
胸に残る素敵な作品やった

ベルリンの壁の崩壊
この出来事を歴史としては知ってたけど
実際にどういう変化が訪れたとか、
そこに住んでいた人々はどう思い、
どう考えてもいたかとかは知らなかったから
アレックス視点の変わりゆく国と生活と
価値観と人々がとっても興味深かった

心臓発作になった母の為に、
少しのショックを与えないように、
以前の通りの生活を再現する
その愛のある嘘と母の最期まで嘘を
突き通す信念、想いの強さが胸を響かせる
これが正しいことか正しくないことか
そんなことは分からんけど
そこに愛があったのは間違い無くて
アレックスの気持ちにめっちゃ感情移入した

ピクルスの瓶のくだりも
アレックスとララの素敵な恋愛も
友を想い、行動するデニスの優しさも
お父さんと再会するシーンも印象的やけど
なによりアレックスが制作したニュースを
観るシーンのお母さんの表情が...
その温かい微笑みと眼差しが
脳に焼き付いて胸を熱くさせる
ラストも爽やかで温かい余韻が残る

「母が去った国は母が信じたままの国だ
 最期の時まで僕らが生かした国
 現実には存在し得なかった国
 その国で、僕はいつでも
 母の思い出に出会える」
もこもも

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