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逃げた女のtokiwa3256のレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
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新作『小説家の映画』がこちらのシアターにまわってくるのは来月から。

ホン・サンス監督作品に触れたのは比較的新しいのだけれども、今では個人的に一番お気に入りの大好きな監督さんであり、購入可能な中古DVDを収集して未見はあと3作品。初期作品から順番に鑑賞していったのが良かったのかもしれない。

レビュアーの多くは(特に女性の方は)エリック・ロメール贔屓だろうし、例の顛末から受けつけない方も多いのかもしれないが、俺はもう圧倒的にホン・サンスが大好き!
だって、出てくる出てくるクズだらけの男どもが「おい監督!これ、俺のことだろ!」ってなやつばかりwww(特にキム・ミニと出会う前の作品群)

いえ、現実には国籍も立場も倫理観もそりゃ違いますけどね。
でも男なんてマジでこんなもんですよ。
実際にどんなに清貧づらして高尚なことを宣っている輩にしても、いざ地位やお金を手にすると途端に俗物になる連中に過去何度も会っているから。それを余す事なく『酒と煙草』を使って(自虐的に)映像に残すホン・サンスは凄い! いや、彼の作品の本質はそんなところではないとは思うし、最近の作品は明らかにテーマが変化してきているけど。

一般的にみるとどれも3.5くらいのレベルの作品群なんだけど、繰り返し何度も観ていると、もうクセになって離れられなくなる。作品内容・撮影ショットもそうだけど「ホン・サンス ファミリー」と言われる常連の役者さんたち全てが愛おしい♪

この『逃げた女』は、なにしろ尺が短いので都合3回ほど鑑賞した。今回はメモ書きだけを備忘録として残すことに。





・最初の鶏の集団
・なぜか通り過ぎるガミ。するとすぐに玄関が開く。これは防犯カメラ設備の伏線か
・ガミの(これも意図があるのだろう)サイズの合わないコート
・同居人をコキ使うw女先輩。次作品でもふたり揃って散歩している。
・先輩は同居人と寝る?3階には絶対に行かせない。なんか卑猥
・先輩の泥沼離婚した旦那(脚本家)は監督自身の設定・願望?
・そのあとに「愛する人とは一緒にいるべきです」ってガミに何度も言わせるww
そりゃ監督自身の離婚調停も敗訴になるわな
「ずっと一緒にいても毎日楽しい瞬間ばかり」キム・ミニに言わせんなよww
・ガミは本当は独身?結婚指輪をしていないよね。3番目の会話でそれを意識させるシーンがあったような
・牛が可哀想、子牛の目はかわいいと言いながらがっつりと焼肉を喰らうw
・1話のリンゴから3話のリンゴの反復
・男達との噛み合わない会話がツボるw
1番目と2番目の男は次作品では親友同士
・男等は必ず外で3人とも背中越しw
・3番目の夫婦は『それから』では不倫カップルでしたね
・2番目のドMな若い詩人の男「羞恥心を植え付けられました」www
・母親が「逃げた女」でもある家の前の防犯カメラに映るタバコ娘
・その娘を雄鶏のように狙っているであろう女先輩。最初のシーンの雄鶏は先輩のメタファーかもね。同居人が話す雄鶏の事は3階の秘密に繋がるってのは考えすぎかな
・1話最後の山の風景から2話の窓越しの山の風景へ、そして3番目の柵越しの山の風景のカットインが見事。でも劇伴は相変わらずヘンテコw でもそれがイイのよ
・1番目でコーヒーが美味しいって言ってるのに2番目の先輩の家ではコーヒーを飲むと体が疲れるって言ってるw
・1番目は防犯カメラ、2番目は玄関カメラを覗く主人公。相手はどちらも26歳
3番目は映画館の映像ってわけか...
・会いに行った3人の女性の今後の行く末には嫌な予感しかしない。特に2番目の先輩はヤバいことになりそう
・もしかして憑き物を落としに(擦り付けに)3人に会いに行ったのかな。最後の映画館でのガミの穏やかな表情が物語る
・3番目のチョン先生とは直接対峙。会話の噛み合わなさが失笑レベル
・元彼(チョン先生)と会う前はモノクロの海の映像
・会った後はカラーの海の映像
・最後の海のシーンは『よく知りもしないくせに』のラストシーンと全く同じ。だからこの映画を観ていたことになるね。意味深だ...
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