ホン・サンスの会話劇が楽しめる時代に生まれてよかった。この作品はなにより宣美がすてきでとても好き。「逃げた女」、原題そのまま邦題パターンなんだねえ。
夫のいぬ間に女友だちに次々会いに行く女性のはなし。女同士の親密な、でもリラックスした空気の中にどこか虚ろさがあって不思議。会話の間と瞳の揺れ方かな。
みんな言ってるが唐突なズームの往復も慣れると癖になるし、ここかなというところでバッチリ来ると「よっしゃ!」となる、みたいな楽しみ方すらできるようになる。ガミの物語は一度ここでエンドロールを迎えるわけだけれど、その先をなんとなく考えてしまう。