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野獣の青春のbluetokyoのレビュー・感想・評価

野獣の青春(1963年製作の映画)
3.6
鈴木清順監督の作品の中では出来がいい作品だと思う。
スタイリッシュでスピーディーで話が面白いのである。
唯一の欠点といえば、宍戸錠さん演じる主役、水野錠次、寡黙で静かにしゃべるキャラらしいのだが、宍戸錠さんだと様になっていないし、何を言っているか、もごもごしててわかりずらい。
もう一つ、原作がそうなっているのだろうけど、野本秀夫という悪役は、お前のおふくろはパンパン、というと激怒して思わず、相手の顔をカミソリでずたずたにするらしい。小説ならいいけど、映画だと、絵が出てしまう。別のに変えてもよかった。あと、手の爪の先に刃物を入れる拷問もそうで、こっちも別な方法に変えてもよかったと思う。見てて痛々し過ぎる。

簡単なあらすじ。
野本組の息のかかったあちこちの店で、暴れたりする男がいる。水野錠次である。これは、野本組に、オレは役に立つ男だというアピールである。
さっそく、組長、野本幸夫(小林昭二さん演じるオネエキャラ組長)の目に留まり、雇われることになる。
展開が早い。さっそく、錠次は、野本組と対立する三光組を襲ったりする。
水野錠次は、なぜか、竹下あみもの教室へ。
竹下久美子が開いている教室で、夫は、竹下公一刑事で、コールガールと心中していて、四十九日であった。
なんで、水野錠次が、こんなところに来たのかと言えば、実は、彼も刑事なのだ。
そのあと、コールガールを調べ始める水野錠次。心中したコールガールの元締めが6番目の女だとわかる。だが、それが誰だかわかない。
水野錠次は、三光組に捕まり、映画館になっている三光組のアジトへ。
ここで、錠次は、親分の小野寺信介に、野本組の麻薬取引現場を襲って、カネを奪う計画を提案する。小野寺親分は、話しに乗った。
矢切りの渡しのあるところ。まんまと三光組は、野本組のカネを奪うことに成功。
ここで、なぜか、野本組のひとりが、錠次を刑事だと思い出す。拷問が始まるが、オレは刑事をクビになったんだ、調べてみろ、というと、たしかに、公金横領かなんかで、クビになっている。悪かった、でおさまる。
三光組の幹部の家に行って、銃撃戦になり、パトカーがたくさん来る。
逃げようということになると、なぜか、偶然、竹下あみもの教室の近くで、そこに、竹下あみもの教室に逃げ込む。
竹下あみもの教室から、野本組に電話を掛けて、助けを要請する。ついでに、三光組が殴り込みをかけるという情報を入れる。
すぐに、三光組に電話を入れ、野本組が殴り込みをかけると、こちらにも情報を入れる。
なぜか、野本組の組長、野本幸夫が直々に来る。野本秀夫を、なぜか、竹下あみもの教室に残して、錠次をアジトに連れて帰る。
三光組と決戦だ、ということで、組員は出て行くが、錠次だけ、残された。そして、またしても、拷問である(おそらく、竹下久美子が知らせたのだ。理由は後でわかる)。
一方、三光組と野本組の決戦。三光組の親分、小野寺信介は爆弾を車に積んで、野本組に突っ込み、突破、そのまま、野本組のアジトへ。
野本組アジトに突っ込み、大爆発。おかげで、水野錠次は助かる。
錠次は、野本幸夫を捕まえ拷問、「6番目の女」は、誰だ、と詰問する。野本幸夫は、6番目の女は、竹下久美子だと、白状する。
さっそく、水野錠次は、竹下あみもの教室へ。実は、竹下久美子は、スパイで、竹下公一刑事を殺したのも竹下久美子だったのだ。
錠次は、復讐のために、竹下久美子を誘導して、お前のおふくろはパンパン、と言わせる。すると、その場にいた、野本秀夫が、カミソリを取り出して、と言うところで終わる。

三光組のアジトが映画館というのが面白い。野本組と三光組を戦わせて、共倒れにさせるわけか。
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