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野獣の青春のkojikojiのレビュー・感想・評価

野獣の青春(1963年製作の映画)
4.2
これは傑作!清順監督の作品は、やはりジョーが似合う。
オープニングのモノクロに色を使うところ。まさに清順監督。
キャバレーのシーン、防音ガラス越しが無音になり、幹部たちが集まる。いきなりおもしろいシーン。

ジョーは元刑事の流れもの。
元相棒の死を不審に思い、組に雇われ内情を探る。黒澤明監督「用心棒」さながらに敵対する組を行ったり来たり。

印象的なのは、あのおやっさん小林昭二が、ナイフを猫の毛で拭く変態チックな振興組織の組長役。
その弟、サイコな川地民夫。あるワードで逆上し、凶暴化するすだれのヒデ。

この作品、ワンポイントの出演ながら星ナオミさんがすごく魅力的。

渡辺美佐子はやはり悪女が似合う。なんかやるせない結末。

ラストはモノクロ画面に赤いツバキの花。
清順美学ここに開花という作品。
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