リコ

ローマ11時のリコのレビュー・感想・評価

ローマ11時(1952年製作の映画)
3.5
下書きで忘れてたのを投稿。

某コズミック出版の字幕付きヨーロッパ映画が某アマプラに大量に配信スタートしているので、早速ディグる。
探求映画が何本あり狂喜乱舞、さっそく一本見てみた。

1951年に実際にローマで起きた階段崩落事故を、当事者たちの証言と出演も交え描く悲喜劇。
採用枠1人しかないタイピストの募集に何百の女性たちがつめかけてしまいオフィスのある建物は大混乱に陥る。やってきた女性たちの様々な事情、悲喜こもごも。そしてある1人の女性のとった行動から取り返しのつかない惨劇が…。

今の視点で見るとちょっと古くさい所もあるが、十分にフェミニズムの映画。様々な階層の女性たちへの共感と、格差・貧困への怒りは現代にも通じる。
ルチア・ボゼー様は珍しいショートヘアで出演時間も長いけどそんなに目立った役ではない。
事故の決定的な引き金を引いてしまい、しかも自分は大怪我を免れて苦悩するカルラ・デル・ポッジョ(ジョーン・フォンテインに似てる)、過去のフラッシュバック(恐らく職場での性被害)を起こして試験を受けられなくなるレア・パドヴァニが印象が強かった。

それから勿論、中盤の階段大暴落のシーンが阿鼻叫喚で、一体どうやって撮ったんだ?と目が点になった。
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