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ストリートダンサーのspitfireのレビュー・感想・評価

ストリートダンサー(2020年製作の映画)
3.9
ロンドンを舞台にインド系とパキスタン系のダンスグループが競い合うダンスバトル映画。実はシリーズ3作目だそうですが過去作は未見です。
最近じゃインド映画でもダンスシーンは集約される傾向ですが、本作は上映時間の大半をキレッキレのダンスに割いており凄まじい。体感では7:3の7ぐらいで踊ってた印象です。好きなダンスシーン多いんですよね、イナーヤトの一発目のダンス、レジェンドプラブデーヴァーの美味しすぎる乱入、サヘージのソロパート、そして何より準決勝のダンスが激アツ……。改めてダンス映画本場の超火力を思い知りました。
熱いダンスバトルの背景に敷かれたのは印パの対立、不法移民の貧困、宗教の問題、エトセトラ。どエンタメ映画であっても社会問題を向こう正面から取り上げる、これもまたインド映画の特徴ですよね。テーマに重たいものを掲げ、尺の大半を踊り明かした分、ドラマとしてはウェストサイドストーリー風味の直球に収まりますが、これが存外に響きます。
あと個人的にはダンスの度に衣装が変わってたのも楽しかったし、デザインの作業量には気が遠くなりました。なんぼほどおべべ作ったんやコレ……。


帰宅してから、学生時代よく聴いていたAsian Dub Foundation(在英バングラデシュ系コミュニティのダブバンド)を聴き返していました。来日公演も行ったっけー。きっと彼らも本作と同種の困難に向き合っているのだろうなぁ、と思い至りました。加えて、自分の興味関心が思わぬ形で返ってきた――というのも面白い経験かなと。
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