第二次世界大戦中のドイツ占領下のフランスの山のふもとの小さな村で暮らす羊飼いの少年ジョーは、ある日、見知らぬ男ベンジャミンと出会う。ベンジャミンはユダヤ人でオルカーダ家に隠れて娘のアーニャが来ることを待っていた。ベンジャミンのことを内緒にするジョーだったが、やがて村にドイツ軍がやって来て占拠してしまう。
ジョーはナチスドイツについて何も知らない状態からストーリーが始まるので、ドイツ兵にも自然と接するし、ユダヤ人が迫害されていることも知らないので、観ていて「そんなことしたらナチスにバレないか?」とジョーの挙動にハラハラしました。
村にドイツ軍がやって来るが、ジョーはドイツ軍の伍長と親しくなります。この伍長がナチスの色が薄く、限りなく普通の人っぽいのでジョーが親しみを感じても仕方ないと思います。戦争というものが国に個人を縛りつけ、個人の尊厳を破壊していくのだと思います。
その伍長は、ストーリー途中で連合軍の攻撃で娘が亡くなったことを知り悲しみにくれます。人種や国に関係なく悲しみは平等にやって来ることが分かるシーンでした。
そして、ベンジャミンとユダヤ人の幼子たちを助けようとジョーを始め、村のみんなが一致団結する姿はとても良かったです。
「戦争が無ければ」と常に考えてしまう作品でした。
鑑賞日:2022年11月6日
鑑賞方法:BS/CS ザ・シネマ