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バッド・トリップ どっきり横断の旅のRのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2020年のアメリカの作品。

監督はキタオ・サクライ。

あらすじ

昔の片思いの相手マリア(ミカエラ・コンリン「フォービドゥン/呪縛館」)を追って、大都会ニューヨークに向かうクリス(エリック・アンドレ「ジャッカス Forever」)とバッド(リルレル・ハウリー「ギリ義理ファミリー」)の珍道中を描く。

Netflixにて、「ある点」に置いて気になって鑑賞。

お話はあらすじの通り、「お!バカンスファミリー」とか「デュー・デート」とかのコメディロードムービー。この手のジャンルは主に旬なコメディアンのいわば登竜門的なジャンルで、どうやら今作の主演2人もコメディアンらしい。

ちなみに、友人バッド役の人どっかで観たことあるなぁと思ったら「ゲット・アウト」のあいつか!!

ただ、単なるコメディロードムービーではない本作、今作で興味を惹かれた「ある点」とは今作で出てくる僅かなキャラクター以外は全て俳優でもなんでもない一般人であり、撮影の大まかな脚本はあるもののスタッフ以外は撮影と知らされない中、行われる、つまり「ドッキリ撮影」なのだ!

しかも、ジャンルとしてはどぎつい下ネタを多数入れ込んだバリバリのコメディなのでやってることは強烈。

だから、冒頭、クリスが洗車をしていると衣服が全部脱げちゃうところとか、ディスコで酔っ払って飛び降りたり、ゲロを吐きまくるシーンなどの反応もめちゃくちゃ驚いたり、引いていたり、距離をとりながら事態をチラ見したりとめちゃくちゃ現実感があって面白い。

特にニューヨークに向かう道中でクリスとバッドが野外動物園みたいなところに立ち寄るんだけど、ツアー抜け出して、クリスがゴリラの檻に興味本位で入っちゃって、そこで盛りのついたオスゴリラ(もちろん中に人が入ってる)にバックで犯されたり、フェラチオされて顔射されたりするシーンで周りで事態を見守るしかない一般人は阿鼻叫喚の大騒ぎで、なんかタチの悪い「モニタリング」を観てるみたいでめちゃくちゃ笑った。

ただ、じゃあ反応もリアルだし面白いかと言えば、そこが難しいところで、ただでさえアメリカのコメディ映画ってどぎつい下ネタが多いのに、周りにいる人が俳優じゃない反応をするので、なんつーか観ていて不憫というかなんというか…。

キャスト陣が明らかに悪ノリで絡みまくるので、上記の反応に加え、逃げる人もいるし、めちゃくちゃ怒る人もいる。ゴリラの顔射のシーンもその場にいたら人によってはドッキリって後でわかってもトラウマになるぜ…。

なんて真面目に観ちゃう部分もあったけど、今作もう一つ冷めて観ちゃう点があって、果たしてどこまで「本物の」パンピーなのかっていう問題。

だって、上記のシーンでも、明らかにゴリラが人間みたいな動きするし、「モニタリング」見てても「やってんなー」と思っちゃう俺でも現実ではあり得ないことばっか起こってて、これ「仕込み」の人もいるんじゃねっていう。

一応、エンディングでネタバラシしてるシーンが入ってんだけど、一般人みたいな演技をする、実は俳優も入ってるんじゃねーのかな。

ちょっと驚いたのが、レストランで明らかに口喧しい害悪おばさんみたいな人がいて、そいつがいちいちワーワー言って、最後は他の人に「うるせーよ」とか言われちゃってて、あ、この人もキャストの1人なんだなと思ったらパンピーだった。キャラ濃すぎだろww

観ていて、今作で一番興味深かったのがアメリカの人ってやっぱデフォルトでフレンドリーな人もいるんだなっていう点。日本人だったら、やっぱ距離を置いたり、関わらないようにする人が多いと思うんだけど、今作で出てくる人は奇行をするキャストに対しても、ちゃんと話を聞いてくれる人がいたり、クリスがゲロ吐き散らかすシーンでも「私看護師です!」って介抱する女の人が出てきたり、クリスとバッドが乗ってる車壊して、ケンカしだすシーンで、ケンカを止めようとする見た目怖そうな兄ちゃんがいたり、その後のバス車内での仲直りの場面で一緒になって喜んだりと、いやぁー世の中ってちゃんと見ず知らずの人にも優しくあれる人っているんだなーとちょっと感動してしまった。

まぁ、本当の一般人だったらだけど。

そんな感じで極めて悪趣味ながら、やってることの実験性は興味深くなかなか面白く観れました。
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