このレビューはネタバレを含みます
ジグソウの模倣犯が私怨で復讐する話です。
私はジョン・クレイマーの「人としての善性を持たざる者は死を招く」という思想が好きなので、毎度その思想と、プレイヤーが葛藤する様子を期待しながら見ています。
今回は、プレイヤーに更生のチャンスを与えるゲームではなく、殺すためのゲームでした。便宜上、助かる方法も説明するけど、助かるための時間的猶予ははじめから用意されていません。
3にて、ジョンが「君のゲームはクリアできないようにできている」と言っていたアマンダのゲームに似ています。
ジグソウがプレイヤーを許しているかどうかが、根本的に違っています。
ジョンはプレイヤーがゲームをクリアできたらその後の人生を見送るけど、ゲームオーバーは罰=死を与えることになる。だからゲームが始まった時にはもう、ジョンはプライヤーに対する感情を自分から切り離しているんじゃないかな。
スパイラルはそもそも私怨で、プレイヤーを許していない。だからクリアさせる気もない。善性と悪性をプレイヤーに委ねない。
だからロジックも弱い気がする。
ゲームの手法で救いがないのはまあ模倣犯だしな……と思いつつ、最後のどんでん返しがあるだろうと思ったのですが、ひっくり返りませんでした。
普通に映画としては好きでしたが、ソウシリーズとして見ると期待は下回りました。
だから8とか9とかじゃなくて、オールリセットってタイトルになったんだろうな。あらすじを見るまでソウシリーズとは別の映画だと思っていたので。
派生とかスピンオフとか、そんな感じで見た方がいいです。
この後にまた新作が出るみたいなので、それでどうなるか期待してます。