でんき

3年目のデビューのでんきのレビュー・感想・評価

3年目のデビュー(2020年製作の映画)
3.7
『3年目のデビュー』観ました。期待以上でも期待以下でもないかな。この作品は、過剰にエモーションを表現せずに今の日向坂が映っていると思いました。オードリーは出てたよ。本編にネタバレして困るとこはないが、ED曲は言わない方がいいかな。
『3年目のデビュー』は聞いたことある話と観たことある映像ばかりだったので、プレイボーイに連載されていた『日向坂46ストーリー』の増補版といった印象でした。
そしてこのドキュメンタリー映画は観やすかったです。たとえばAKBが流行ってた頃に製作してたドキュメンタリー映画は熱量はあるが、観てる者の感情を操作しようとしてて、たとえば特定の曲をナレーションで名曲と言ったり板野友美が卒業を発表してダーーーン!と効果音が鳴ったりするとこは、流石にドキュメンタリーのジャンルを超えてるような気がしてた。しかしこの作品は、AKBのドキュメンタリーみたいな熱量がない変わりに、重苦しさや感動の押し売りで観る者を煽るような演出はなく日向坂そのものから一歩引いてた印象で感情を押しつけてこないから観やすかった(『3年目のデビュー』に印象操作が全くない訳ではない)。
しかしその反面この映画は盛り上がりに欠けていました。AKBのドキュメンタリーにあったような熱量やプレミアム感は、AKBくらいのブームが来なきゃ生まれないものなのかな。
このドキュメンタリーに映っている出来事は、知っている話ばかりだったので、途中の芽依&美玖が二人で遊びに行った撮り下ろしのシーンがとても貴重に感じられました。贅沢を言えばほんの最初だけのねるデビュー&けやき坂誕生編をばっさりカットすれば、もうちょっとだけでも現メンバーをフィーチャーしたシーンが増えたのに...ってやっぱり思っちゃいます。。。
最後にこの作品を総括すると、これは穴のあるドキュメンタリー映画です。

自分はこの作品を観て「よくあの始まりから日向坂(けやき坂)は上がってこられたな」と思ってしまいますが、そこは欅坂の凋落なしに伝えるのは不可能です。日向坂(けやき坂)の成長は奇跡の連続なんかではなく欅坂の低迷と表裏一体の出来事でした。この作品はそこをおざなりにしています。望ましいのは日向坂を知らなくても、この作品でグループの魅力が伝わればいいのに、多分知らない人が観たら姉グループの欅坂を追い抜く程の日向坂の快進撃に説得力を感じられないのではないか。そう思ってしまいます。

まぁ『3年目のデビュー』は良くも悪くも現在の日向坂46を映したドキュメンタリー映画でした。きっとかつてのAKBくらいのブームが来れば「日向坂っていいね」に留まらない熱量を持ったドキュメンタリーになるんだろうなぁ。これからの日向坂に期待。
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