りょうた

なぜ君は総理大臣になれないのかのりょうたのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

良い作品。立民代表選で注目されている小川淳也のドキュメンタリー。代表選には敗れたが、要職に就かれたようでこれからが楽しみだ。ニュースでは見えないし、講演会でも見えないだろうし、SNSでも見えないであろう小川淳也とその妻、二人の娘、両親の様子が見ていて惹きつけられるし、心地よい。「政治家」という言葉でまとめて、批判してきた側面があると思うが、その言葉の意味するものには、これだけ政治に真摯に、そして熱く向き合おうとする人間がいることを、そして、その一人の「政治家」を支える家族や地元の方などがいることをこの作品は教えてくれた。
芸術を政治に使うなという記事を見たが、映画自体そもそも政治と結びつきながら発展してきた側面もあれば、どんな作品であろうと政治性は自ずとついてくるものだと思う。わたし自身、明確な立場を表明できるほど勉強をしていないが、メディアも一方では写真や映像や文章を使ってありもしない虚構を作り出しているという側面もある。そうなると芸術ってなんだという話になるとおもうんだけど。ただ、観客である私たちはこの作品の自体のファシズム性にも自覚しなければならない(古今東西どんな作品でもそういう面はあると思う。内容の政治性と表現の政治性)。狂信的にならないこと、崇拝しないこと。映画であることにどこか引っ掛かりを抱えながらも、わたしのように熱くなって、応援しようと思う。そのことは忘れてはいけないだろう。
『香川一区』という続編が今年上映されるらしい。ぜひ拝見したい。
りょうた

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