『エルピス』があまりに面白くて、でも現実の日本はドラマ以上に地獄である事を悉く実感して、かと言って今すぐ自分がどうにか出来る訳でもないので藁を掴むような気持ちで観た。
その期待通り小川氏は実直を絵に描いたような人柄と溢れんばかりの情熱があり、人気者なのも頷ける柔らかな物腰と聡明な言葉と愛嬌まで持ったまさしく希望の人であった。細かい政策はふんわりとしか語られてなかったので一旦置いておくとして、こんな人に国政を任せられたら、このヘルジャパンも少しは変わるのでは。。？と思えるような作品に仕上がっていた。
しかし同時に、50代になっても爽やかさを拭いきれず、過去の失敗に囚われたり、市民からの叱咤激励を正面から受け止めたりできる至極真っ当な人に、有象無象が渦巻く政治界でトップに立つ事なんて到底無理なのでは、とも思った。自らも怪物になって泥に塗れるような人でなくてはきっと戦えない、かと言ってそうすると志を貫けないし支援者を裏切る事になる。。という矛盾。道のりは果てしなく遠く感じた。
何処となく役者の松下洸平さんに声や骨格が似ていらっしゃるので、将来もしも彼が総理大臣になった暁には、その激闘を松下さん主演で映画化してくれたらいいのになぁ、なんて儚い希望を抱いたりした。
