2007〜2020年の13年間、衆議院議員・小川淳也の姿を追う。大島新監督と小川議員の妻同士が同級生との縁から、長期密着型政治ドキュメンタリーとなった模様。民主党政権が倒れて以後、野党がバタバタと合従連衡を繰り返すのを尻目に、自民党が長期政権を運営し続ける状況が彼の苦闘として映し出される合間、東大卒・総務省官僚エリートコースを蹴って地盤・カバン・看板もなしに、地元から一市民・一議員またその家族として誠実に努力している、理想家で応援したくなるような彼らの姿を頻繁に見せ、主人公としての好感を演出。しかし、結局「なぜ君は総理大臣になれないのか」とぶち上げた題に反して、「なぜ君は小選挙区で勝てないのか」くらいのスケール感の話に収まる。真面目な好人物だけど、魑魅魍魎ひしめく中央政界で政局の大物には成れないし成る気もない、そんな庶民派政治家の現実的限界をアリアリと物語るのであった。
