TAMU

なぜ君は総理大臣になれないのかのTAMUのレビュー・感想・評価

4.3
本日は有給なり〜♪
で、結局映画館に(笑)

本作は予告で気になっていたが、あまりメディアでは話題になってない印象。暇だし、メンズデーで安いし、くらいで見に行った映画に限って刺さるよなー。

ドキュメンタリーの構成が分かりやすい。ここ数年の日本の政治情勢をおさらいしてくれる。そして、何より情熱と信条を持った政治家、小川淳也議員を教えてくれる。

お恥ずかしながら、これまで自分は小川淳也議員は存じ上げませんでした。ただ、敢えて言わせてもらうと、そのような方が一人でも多く本作を見て頂けたらと願うばかり。

特に個人的には、昨今の丸山穂高議員に見るビジネス政治家的な振る舞いに辟易していたところ。

更には、金をばらまく広島選挙区の事件に至っては、呆れてモノが言えない…

ところが、本作に映る小川淳也議員ときたら、カネも地盤も無い。美容院の息子が、信念一つで議員に初めて立候補するところから物語は始まる。

世の中をなんとか変えなければならない、その使命感によって行動するのみ。本人が党内の出世競争に疎いと言っていたが、政党は当選回数や、選挙区当選か比例当選かによって、発言力が変わるらしい。何処と無く会社と似てる。

右でも左でもないど真ん中の中道。彼の政策が多く語られることはないが、彼はそれこそ、その信念と人柄だけが武器。

そして横柄な態度を取る議員が多い中、彼は彼の事務所内でも選挙区内の仲間にも、家族にも偉そうな態度を一切取らない。そこが何より魅力的。

しかし、知名度は低く、選挙のたびに振り回される家族。そして、小川議員自身も政局に振り回される。

政界のサラブレッドでも御曹司でもない彼が走り回る姿は、何となく仕事に振り回される自分とも重なり応援せずにはいられない。

良い意味で国会議員らしくない。だからこそ、こんな国会議員が政界の中枢に入ってくれれば。
俳優の推しは多い私ではあるが、政治家の推しは小川淳也議員に決めた!(本心は娘さんたちを推したいw)
小川議員の言う通り、政治心情を変えることのない彼を推すに当たっては何党とか関係ないのだ。

本作の監督は大島新監督。あの大島渚監督の息子さん。多くの時間を小川議員と共にした挙句、「小川さんは政治家には向いていないのではないか?」と本人に漏らしてしまう冷静かつ献身的な態度に脱帽。

あと一つ、個人的に大嫌いだったスシローこと政治評論家、田崎史郎氏を見直すハメに。安倍の犬と揶揄されることも多いが、本作で見せる姿は意外。
政治に関するポリシーは異なるようだが、小川議員と田崎さんはお互いを認め合う中。さすがスシローも安倍ちゃんの太鼓持ちだけではなく、野党の一議員の話にもしっかりと耳を傾ける。決して視野の狭い人物ではなさそうだ。
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