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The Load(英題)
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『The Load(英題)』に投稿された感想・評価

[それでも残った人々の物語] 80点

傑作。1999年、NATOはセルビアの首都ベオグラードに空爆を開始した。紛争状態にあるコソボからセルビア人勢力を追い出して国連の平和維持軍を駐留させ、アルバニア人難民の帰還を促す狙いがあったらしい。NATOはベオグラードの街に"俺らはずっと戦い続けられるよーん"というビラを散布し、市民の戦闘意欲を削ごうとしているが、そのお返しとしてぶっ壊れたエッフェル塔と共に"考えてみろ"と書かれた看板が登場する。パリを爆撃したら世界中が怒るだろうが、パリ以上に古い歴史を持つベオグラードは西側の"戦略"なぞによって簡単に破壊される。Ognjen Glavonić の初長編である本作品は、そんなユーゴ戦争を描きながらも、具体的な戦闘は一切描かれず、故国の歴史について再考していく。

主人公のヴラダは数週間前に働いていた工場が閉鎖してしまい、今では日銭を稼ぐために怪しげな荷物をコソボからベオグラードに運び入れている。いつも使っている道が爆撃のせいで封鎖されてしまい、別の道を進むことになった彼の前には見慣れない風景が広がっている。それは畑や川渡しといった日常風景であり、偶然出会った子供たちや結婚式といった日常生活であり、二次大戦の記念碑という重い歴史の断片でもある。ヴラダは故国を棄てる決意をした若者パヤを乗せながら常に移動を続け、その対比のように土地に残り続ける人々の挿話を重ねていく。歴史がそうしたように、彼らのその後の話は一切触れられない。彼らのエピソードに他のユーゴ戦争を描いた作品のような人種間/宗教間対立の虚しさや無意味さが付加されることはなく、苦しい日々を淡々と生き抜いていたことが描かれているのだ。

ヴラダの父親は二次大戦に従軍し、激戦地だったスティエスカの戦いを辛くも生き延びている。彼はその話をあまりしたがらないが、戦時下に置かれた今の状況は否応もなくその記憶へと引きずり込む。そして、彼もトラックで荷物を運ぶことで戦争に加担しているため、"戦争"というものに対してヴラダとその父という世代を隔てた壁などは既に存在しなくなっている。おまけに、戦争を始めたのはヴラダと同じ戦後世代の人間がほとんどだ。終盤になって、彼は漸く切り離して考えていた過去と現在が繋がっていることを理解し、恐らく人生で初めて自身の息子に秘めていた戦争の悲惨な歴史を語り始める。まるで、受け継いでしまった過去を未来では繰り返すなとでも言わんばかりの哀しみを湛えて。

かつては未来を託されていたであろうロック歌手のパヤは国を出ていく。だが、その歌はしっかりと故国へ残ったヴラダの息子へと受け継がれる。一方、ヴラダの罪は息子へと受け継がれることなく、トラックの中と窓ガラス、地上と3階という幾重にも離れた場所で処理される。セルビアは明るい未来を迎えられたのか。それはダリボル・マタニッチ『灼熱』で語られることになる。