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ヴァスト・オブ・ナイトのSSDDのレビュー・感想・評価

ヴァスト・オブ・ナイト(2019年製作の映画)
3.8
▪️概要
1958年のアメリカの小さな街で、バスケットボールの試合に街中の人々は押し寄せ、街中が不在。
電話交換機のアルバイトの女子高生とラジオDJの男性はそれぞれ話しながら職場に向かう。
その後電話交換手の女子高生は奇妙な電波により、ラジオが妨害され、直後女性が身に危険を感じているような電話を受ける。不審に思ったためラジオDJに音源を繋ぎ、リスナーに謎の音の正体を募るのだが…。

▪️感想(ネタバレなし)
レトロな雰囲気でパラドクスシアターの一部として物語のひとつのように開始され、第四の壁を使用する作りもお洒落で、長回しのセリフが多く、キャストの演技力の高さが素晴らしく、何かが起きているという事態を緊迫感を持たせて魅せる。

特段主人公達の会話ベースで繋がり、リスナー達と繋がってことが進むという進行もレトロで秀逸。

派手なアクションも、派手な演出もなく静かな怪異を演出していく手法は好みも分かれるところだが楽しめた。

シリーズ的に作ってくれるなら次回も楽しみな作品である。









▪️感想(ネタバレあり)
・総評:良質なSF
定番のキャトルミューティレーション(UFOが人を攫う、元々は家畜が血を抜かれて死ぬ怪奇現象を指していた)を描くのだが、ど定番を見せるために時代設定から細く考え抜かれている。

電話交換手とラジオDJという音に関わる人間を主体とすることで、視覚的に空なにがいるのかという情報をすぐに開示しなくても進められるような心理的障壁を作っているのも上手い。

最終的にど定番のUFOに吸い上げられるシーンもどうもホラー度が下がるところだが、あえて見せずに結果だけを魅せるのも素晴らしいところ。

円盤型未確認飛行物体を扱った作品が最近あったがまったく趣が違う方になっていて素晴らしい。

レトロな映像美とインテリの高めの2人の主人公たちの話はなかなかに楽しめた…が赤子の弟も連れ去られたのは少々辛いものがあった。
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