牛丼狂

二重のまち/交代地のうたを編むの牛丼狂のレビュー・感想・評価

3.5
東日本大震災で大きな被害を受けた陸前高田に4人の若者が訪れて現地の声に耳を傾ける。その後、その4人が集まりそれぞれ聞いたことを共有、また別軸で被災地をよく知る作家の瀬尾さんが描く物語『二重のまち』を朗読する。
いろいろな震災継承作品があると思うけれど、ありふれたテレビドキュメンタリーのような事実ベースではなく「継承すること」そのものがテーマとなっている。つまり震災映画ではないのではないのかとさえ思う。
第三者の解釈(フィルター)を通して生まれる声、または詩は、ときには現地のリアルの声よりも説得力とリアリティがあるのだと思った。継承することのみならず人とコミュニケーションするとはどういうことなのか、と考えをめぐらせる拡大解釈の余地がある作品だった。
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