タコ社長

すずしい木陰のタコ社長のレビュー・感想・評価

すずしい木陰(2019年製作の映画)
3.7
『まんが島』とはまた違う形で画面とせめぎ合うことになった。
緊張と弛緩と。あの周辺を穏やかにイメージさせる。風はそよぎ鳥の鳴き声と遠くで軽トラのエンジンをかける音が交差し。ヒタヒタと足音が通りすぎていく。心地好く響いてくる。
かと思いきや、工場でエンジンが唸りをあげフル稼働していく。そして、都市での生活音?のような?そんな質感が当たり前のように覆っていく。不快指数は上がる。
女がハンモックで寝ている。寛いでいる。倦怠感をわずらっている。ずっと居続けざるを得ない?
光。太陽は容赦ない。木陰も脅かす。蝉。蚊取り線香。湿度。
宇宙規模の何かに包まれている気もしてきた。
それでも女は殆ど動かない。あ、動いた!戻ってきた。逆行で見えない。

ひぐらし。太陽も徐々に暮れていく。
何かの終わりを予感させることもできそうだが。

既にそこへ留まり続けることに慣れてしまったのは私たちです。


コロナ明け一発目に相応しい映画でした!
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