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17 Blocks/家族の風景のkyokoのレビュー・感想・評価

17 Blocks/家族の風景(2019年製作の映画)
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アメリカでも有数な治安の悪い危険区域、父親不在の家庭、依存症の母親、貧困、DVといった、フィクションならばステレオタイプが過ぎるだろと言われる話が、20年にも渡る家族のリアルな記録だというのだからこれは稀有な作品だ。

彼らを襲った偶然とも必然ともいえない理不尽な悲劇はあまりにも残酷だった。
喪失による転落と再生に費やされた10年は、カメラが彼らの手から映像作品の作り手へと移ったせいか、急に作為的に感じるのが気に入らなくてあまり入り込めなかったのだけど、彼らが連鎖を断ち切り恥じない道を進もうとしている強い意志は本物だと思うし、子どもたちの、そしてその先の者たちの未来がどうか明るいものでありますようにと願わずにはおれない。

エンドロールに示された名前の数が異常。
アメリカの闇がワシントンDCの国会議事堂からほんの17ブロック(3キロ圏内)先に存在することに改めて驚愕する。
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