シリーズ第8作。フグ田家(映画版ではマスオさんは養子ではなく、夫婦は磯野家とは別にマイホームを構えている)に遂にタラちゃん(映画ではタラオちゃんになっている)誕生。
本作におけるサザエさんは、前半は妊婦で後半は母親なだけあって、過去7作に比べるといくぶんおしとやか(とはいえ、それでも充分賑やかではある)。だが、そのぶん深い味わいが出ている。また、出産という一大イベントの前後が描かれているだけに、過去作に比べるとストーリー性が高い。話のテンポが非常に良い。
世相も興味深い。近所のおばさんに「まだ産まれないのかしら」と言われたフネは「産まれそうになったら連絡が来る」と答えるが、それを聞いたおばさんは「連絡が?お宅に?美智子様の?」と驚く。原作ではどうだか知らないが、タラちゃんは今の皇太子と同い年だったのだ。
とにかく相変わらず面白い。