大人に反旗を翻した子供達が逃げ隠れする大人達を次々と狩り、トマトケチャップ憲法及びX（ばってん）法典を制定し子供達のユートピアを形成して行く空想世界。知らぬ存ぜぬを繰り返す痴呆老人ばかりが国の中枢を占め、当たり屋風情の勘違いくそブスや、人間としての一線を超えたさっさとSPEED辞職すりゃ良いアイドル崩れ、自分の国籍も仕分けできない嘘つきババアなどに我ら国民の血と涙の結晶である大事な血税が注ぎ込まれて行くのであれば、さっさとトマトケチャップ皇帝にフェラ・クティばりに独立国家を築いて頂いて、彼らに国を統べて頂いた方がよっぽどマシなのでは無いか、結局何も変わらないのでは無いかとすら思うが、俺は猫派なので猫の駆逐だけは勘弁していただきたい。「老人と子供のポルカ」を背景に疾走する少年たちのシーンも良いが、小人症のおっさんがナタで鶏の首をはねるシーンが最高にヘルツォークしててクール。後、顔面にアナルすりつけるやつはプライベートでやると完全に嫌われるから気をつけた方がいい。推定8歳児が裸のお姉さん達と戯れておっぱいにしゃぶりつくシーンがある、ずるい。密告者の母はちゃんとキチガイ病院に入れてもらえたであろうか。こう言うのを当たり前に延々観ていたい。

ポル・ポト派大虐殺、クメール・ルージュの実行部隊、子供だけの秘密警察もモチーフの一つだと思ってたらポル・ポト派大虐殺は本作の数年後なのね。
高円寺の商店街に昔｢オービス｣という普通のレンタルビデオ屋には絶対に置いてない映画のビデオが大量にあるマニアックな品揃えの店があった。
『寺山修司映像実験ワールド』全6巻のVHSビデオも貸し出していた。
寺山修司作品はほぼオービスで借りて見た。
『トマトケチャップ皇帝』のタイトルは本当なら皇帝ではなく『トマトケチャップ天皇』にしたかったのでは。
だけど流石に無理だったのか。
｢朕｣何て一人称使うのは日本の天皇だけでしょう。
内容は永井豪『ススムちゃん大ショック』の逆。
ある日突然子供達が革命を起こし大人達を殺しまくる。
だけど直接的には描かれず、内容も性的な描写が多い。
下半身丸出しの男の子｢トマトケチャップ皇帝｣が明らかに勃起してるし、登場する｢百人の子供たち｣は皆男の子。
之は女の子は男の子より圧倒的に早く大人になってしまい子供でいる時間が少ないかららしい。
之がもしメインキャストに女の子がいたら完全な発禁物。
セピアカラーのモノクロ映像で深夜アニメの修正みたいな白煙や光の白飛びだらけ。
小人症の男が鶏の首を鉈で跳ねる。
子供と大人の娼婦のSEX。
子供が支配者の帝国では奇形はオモチャで大人(男)は✖(バッテン)収容所行き、大人(女)は性奴隷。
子供軍による｢大人狩り｣
観念的実験的映像の、イメージの羅列ながら内容は相当ショッキング。
｢老人と子供のポルカ｣やめてけ～れゲバゲバ♪のゲバゲバは暴力=ゲバルトの事だったのか。
天皇を頭上に頂く｢帝国｣をフィクションとしてエンターテインメントにしてるのは大塚英志。
寺山修司の影響を最も受け最も成功しているアーティスト(作家)は幾原邦彦。
幾原邦彦監督の次は劇場版ピングドラムだけど『トマトケチャップ皇帝』ばりに天皇と帝国、革命と戦争、ヤヴァイ世界に切り込んだエンターテインメント作品を是非とも作って欲しいところ。

• #高円寺オービスの思い出

学生の頃、学校の図書館で文献映像として視聴。filmarksにあってビックリ。
個人的に、スコアは文献としての位置付けによりつけられず。

寺山修司の詩集や作品は読んでいたけど、映像はこれがはじめて。
まさに実験映像そのもの。
私は凡人なので、天才寺山修司の世界を理解できるはずがないよ。

ただ、この時代だから映像として残せたのかな。
こういう、陰として扱われる直視し辛い蓋をされがちな人間の感情や感覚を、追究して具現化することって、そうそう出来ないと思う。
私だったら、その作業はとてもしんどい。