nn

君は永遠にそいつらより若いのnnのレビュー・感想・評価

3.8
オンライン試写会にて鑑賞。
芥川賞作家津村記久子氏のデビュー作「君は永遠にそいつらより若い」の映画化。

まずキャスト。
主人公ホリガイに佐久間由衣さん。
ホリガイにとって重要な役どころになるイノギさんに奈緒。
今やもうドラマは「NHKの朝ドラ」くらいしか見なくなったワタクシにとって、佐久間さんも奈緒さんも、朝ドラの主人公の親友(=脇役)というイメージだった。
でも、今回のこの二人はとても良いよ。
もっと言うと、ほかの大学生たちもすごく良かった。
同じゼミの男の子ヨッシー(小日向星一)は、面倒見の良い気のいい男の子で、それゆえ頼られて、辛い経験もする。
サークル仲間のホミネ君(笠松将)は、デビューしたばかりの頃の綾野剛氏に似た暗めな感じがとても良い。
暗めの子が笑うとまぢで良い(・・・)

ホリガイは大学四年で、児童福祉司として地元の役所への就職も決まった。
なぜ児童福祉司になりたいのか。
ひょんな事で知り合ったイノギさんは、中学生の頃に遭った事件のせいで親は離婚し、おばあちゃんに育てられたという過去を持つ。
若いゆえの悩みに翻弄されたり、特異な経験からの呪縛にとらわれていたり、優しいゆえに辛い事に巻き込まれて悩み続けたり。
それでも彼らは人と関わり合って、もがきながら泣きながら笑いながら生きていくのだ。
アホみたいな飲み会からのスタートで、そんな席にはいつもアホな男子学生がいて、くだらないの中に人生ってあるよなあと57歳主婦だから、トオイメで見るのだ。
そして、そんな若い子達がいうセリフが時に突き刺さって「うっ」ってなって、彼女らの言う「君は永遠にそいつらより若いんだよ」の「そいつら側」かもしれないなあと辛くなるのだ。
だって、ワタクシは、ホリガイが悩むよりずっと「他者との関わり」を避けて生きてきたからねえ。
直接に誰かを虐待したりはしないけど、いつも「無関心」という立場を選んできたような気がして、ホリガイのような、ホミネくんのような、優しくて強くて弱い子を見ると、細い針でチクチク刺されるような気持ちになる。

原作を読んでいないので読んでみようかと思ったが、いや、もうこれ以上辛くなりたくないなあと思い、急遽津村記久子さんの新作を予約するのであった。
nn

nn