kazuo

君は永遠にそいつらより若いのkazuoのレビュー・感想・評価

4.8
なんか良い映画、が時間経つほどとてもよい映画に。

「他者に対して圧倒的に無知」
人の気持ちがわからないんじゃなくて、わかるふりができないだけの不器用な主人公。実は誰よりも人の痛みを感じている。
また主人公は処女である事が他者から選ばれないと認識し自身を"欠陥品"と思ってしまう。そんな自分が他者にものを言う資格があるのだろうかと。
自分の存在を前提に他者がどう感じるかを考えすぎてしまっている。でもそれってつまり相手がどう感じるかをすごく考えている。

「その言葉でじゅうぶんだと思う」
主人公は不器用で表現が上手くないから、本人曰く「とっ散らかった」形でしか話せない。でもそれは感受性が強すぎて色々なものが入ってしまうから。そんな主人公が"ある人"に伝えたい言葉がタイトル。

鑑賞時は戸惑ってしまったのだけれど、愛する事って痛みを伴う事であって、でもそれが人を強くして踏めなかった一歩が踏めるようになるわけで、だから"アレ"は必要だったんだと思うわけで…

傷つきやすい、傷ついてる、そんな人に手を差し伸べたいけど自分に何ができるのか悩んでいる、そんな人たちに"そっと寄り添った"とても良い映画です。
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