ふしん

アウステルリッツのふしんのレビュー・感想・評価

アウステルリッツ(2016年製作の映画)
3.0
ホロコーストの負の遺産を巡るダークツーリズムを扱ったドキュメンタリー作品。

観光客を中心に映すシーンが多く、印象に残る。負の遺産を眼の前に、熱心に見入る者、写真を撮ることに夢中な者、笑顔で同伴者と会話をする者、食事する者、と様々な観光客たちの姿があった。彼らの姿に、負の遺産から学ぶ意義と、負の遺産を商業的な見世物とする不謹慎さの両方を感じた。

負の歴史の扱い方に関しては、映画や小説などのコンテンツにも通じるところがある。例えば、ホロコースト映画を観るときに、娯楽として接していないか、多少でも持ち合わせているなら自分はダークツーリズムで笑顔でカメラをとる人と同じではないか。観光客たちの姿を通じて、自分の負の歴史への向き合い方を考えさせられる。
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