えぴこ

水を抱く女のえぴこのレビュー・感想・評価

水を抱く女(2020年製作の映画)
4.0
”水”の浮遊感と閉塞感、神話的モチーフ、薄暗いファンタジーも好み。またバッハは弾くと心が休まる。という、私の好き要素がたくさん詰まっていそうな映画ので観に行った。

ぼんやり見ててはわかりにくい、すこし考察が必要な映画だけど好き。映像が綺麗。全体的にキラキラしすぎない落ち着いたトーンでもしっかりと恋愛がメインであり、「ふたりは離れたら死んじゃうの?」ってくらいベタベタに幸せそうでかわいかった(その実、離れたら……)。抱き合う2人の体温や匂いが伝わってくるような映像だった。

神話のウンディーネは水に帰ると魂を失うらしいと後でwikiで知り、プールのシーン以降で表情がなくなったのは魂がなくなったのかなと。しかし強い。やっぱり人間じゃないんだと感じさせられる。水中デートのあれも、そういうフリなんでしょう。そんな悪い冗談も精霊らしい部分なのかも。

ラストシーンはどうなるのかと固唾を飲んだ。橋の上の彼女と同じ気持ち。手放しのハッピーエンドではないが、切なくて良い終わり方だと思った。

よくわからない部分もあったので、考察を探してネットに潜水してしまいそう。久しぶりにピアノを弾きたくなった。
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