おさも

水を抱く女のおさものレビュー・感想・評価

水を抱く女(2020年製作の映画)
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ベルリンのお金持ってそうな男ヨハネス、水の精の女ウンディーネ、田舎の潜水技師の男クリストフの三角関係。途中ウンディーネとクリストフが会うために電車に乗っているのは、クリストフが作業するダムがベルリンから4,5時間離れた町にあるらしい。そう考えると、『あの子は貴族』で富山出身の女が東京出身の男にいいようにされる、みたいな都会と地方の資本の問題が垣間見えないこともない。

遠距離恋愛の男女がお互いの場所へ行き来する電車に乗る場面を必ず移動で挟むのがかったりいなと思ったけど、ペッツォルトのほかの作品で車内にいる人を執拗に映すのと同列に見る必要があって、場所へのベクトルと人間関係・人間の変化を象徴しているのだな、と考えた。
初期の作品に比べてテンポがゆっくりしているのは、どういうスタイルの上に立とうとしているか、という観点から考えたほうがよさげ。人より都市を映しているんではないか?
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