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デリート・ヒストリーのSPNminacoのレビュー・感想・評価

デリート・ヒストリー(2020年製作の映画)
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均質な家が整然と並ぶサバービアで、住人の生活にはまったく余裕がない。ネットサービスやサブスク依存、SNS攻撃や詐欺、個人タクシーや宅配業者、誰しも問題を抱えた人ばかり。契約して消費するのは簡単、でもシステムに縛られ振り回されてお金ばかり失う。連帯の象徴である黄色いジャケットも今は昔。舞い飛ぶ綿毛、床に落ちたハム。
でもせめてサバービア三銃士が連帯し、巨大ネットワークシステムに立ち向かうのがフランス。といっても現実的社会運動ではなく、物理的にしょぼい抵抗なので盛り上がらない。結局原始的なツールが一番確実で、生身の人との結びつきが大事というのも陳腐。皮肉と風刺で笑いにしても、みっともなく足掻く人々を愚かだとは笑えなかった。かように資本主義から抜け出すのは難しいとしか。
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