1950年代のソ連を再現したDAUプロジェクトから生まれた第一弾の映画を観てきました。
観終わった率直な感想は?
不快の一言です。
バックグラウンドに興味を持ち、観に行った次第ですが、あまりの長尺なシーンの連続とカメラワークの悪さに、途中で画面酔いしてしまい、気持ち悪さに耐えながらの鑑賞になってしまいました。
とにかく1シーンが長い。
ただ長いだけなら、他にもありますが、時間をかけたにも関わらず、物語がほとんど進行しないのが観る側としては、苦痛以外の何物でもありませんでした。
さらに、シーンとシーンがぶつ切れた感じがあって、シーンの連続性が感じられないのも映画として希薄さにつながっていました。
映画という手段を使って、必ずしも物語る必要性はないのですが、壮大な実験の成果物として荒削りのものを見せられてる感じがして、編集段階でもっと精査して、削って見せることができたと思いました。
カメラワークが気持ち悪い。
パンフレットによると当時のソ連で使ったカメラを想定して、35ミリのフィルムカメラが使用されているようですが、一発撮りで、しかもセリフは出演者におまかせなので、カメラの追随が遅れ、パンの使いすぎでフレームはブレまくり、1シーンが長いせいで、手持ちカメラ特有のゆれがずっと起きたままで、気持ち悪くなりました。
カメラを動かさざるを得ないシーンでは仕方ありませんが、例えばナターシャ1人のシーンで、動かないのに手持ちで撮影して、途中でピントがブレたりしているのが、そのまま上映されていたり、もう映画以前に、興行として厳しいものがあります。
後半の拷問シーンは、ある意味ソ連時代の理不尽さ象徴的な描き方とは感じましたが、やはりとてつもなく長く、不快なものをずっと見せつけられる感じは、ずっと残りました。
ソ連時代に立ち返り、その生活する様を切り取るというスタイルは壮大ではありますが、映画としての完成度は低く、実験映像、インスタレーション作品的意味合いが強いものでした。
数百時間撮影が行われており、今後も映画という形で上映されるようですが、もう観たくありません。
最後に、酔いやすい方は気をつけて鑑賞してください。