ピンピンピン

DAU. ナターシャのピンピンピンのネタバレレビュー・内容・結末

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)
1.3

このレビューはネタバレを含みます

ソ連時代の庶民の暮らしを覗いてみたい方以外にはあまり向かなさそう…
もしくは全部で16作撮っているそうなので数本見たら評価が変わりそうだと感じました

ここからネタバレ
研究所の隣の食堂で働く40代の中年女性ナターシャの視点から見た作品
ナターシャは長いこと不倫をしてきて婚期を逃したアラフィフ
あまり気が合わない若者のオーリャの教育者として働くナターシャは仕事への熱意が少ないオーリャと合わない
合わないものの食堂の片付けをしながらオーリャと酒盛りして様々な事を語り合うナターシャ…
からの唐突に掴み合いのキャットファイト
(ただ日本人女性と感性が異なるのか、掴み合いの喧嘩をしても翌日には一緒に働き、また酒盛りもする…)

研究所では核実験の様な事がされており、軍人が実験台にされる
フランス人科学者リュークは通訳を通して意思疎通をしている

ある日リュークや軍人などとナターシャは飲み会をする事になり、会場にお酒を持って尋ねて行く
そこで英語の話せるオーリャを通してリュークと親しくなり、参加者の前で熱々っぷりを見せつけた後、別室でベッドイン
(このベッドシーンがやけに長く生々しく濃厚で、ナターシャが熟女の為エロティックというより辛くなります)
オーリャもナターシャのこれまでの辛い恋を知っているのでリュークとの恋を応援する

新しい恋でウキウキ過ごすナターシャ
しかし男性客に若いオーリャと自分を比較され落ち込んでしまう
そしてナターシャとリュークが一夜を共にした事を示唆する男性客
その日の仕事終了後ナターシャとオーリャはいつもの様に酒盛りを始め、悪酔いしたオーリャに馬鹿にされてしまう
(オーリャの悪酔いの仕方がすごい)
若いオーリャに自分の母親の方がスタイルが良いと馬鹿にされたナターシャはすっかり落ち込んでしまい、これまでの辛い恋や仕事の事も含めて何故自分は幸せじゃないのかと号泣


〜ここまででやっと3分の2くらい〜

ある日ナターシャはKGBに連れて行かれ女性として屈辱的な尋問を受ける
割愛しますが、膣に異物挿入など

3日間の尋問を終えたナターシャは尋問をしてきた男性に「自分は女として魅力があるか?」と尋ね、男性は当然だと答える

いつもの様に働くナターシャとオーリャ
適当な仕事をするオーリャに「掃除をしてから帰るのよ!」と怒鳴るシーンで終わり


正直に言うと「誰にも共感出来ない」作品でした
オーリャは当時の社会主義国の働いても働かなくても同じ給料が貰えると仕事を頑張る気が無く、
かといってナターシャも不倫をしたりして人生を変える事も出来たはずなのに尋問を受けて尋ねる事が「自分は女として魅力があるか?(私のやってきた事は間違いではなかったのか?)」だし、
男性陣はほぼ空気

オーリャとの喧嘩だってナターシャが飲ませてるのもある上に、ナターシャ自身もトイレのドアを蹴破ったり色々してるので完全な被害者とも言えず…
(おそらくそれが描きたかった当時の世界観だとは思いますが…)

ナターシャと異なる視点を何本か見れば感想が変わると思うものの、この作品単体では監督が描きたかった何かをしっかり感じ取る事はわたしには難しかったです