ねこ無双

セイント・フランシスのねこ無双のレビュー・感想・評価

セイント・フランシス(2019年製作の映画)
3.8
連投なのでスルーしてください🫠

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34歳、シングル。
大学は途中でドロップアウト。仕事はダイナーのウェートレス。
そこへ舞い込んだ同性婚カップルの娘を世話する仕事。
そこから主人公と依頼主一家とのひと夏の物語が始まります。
映像の印象からフランス映画なのかと勘違いしてました。この雰囲気も好み。

主人公と少女、その母親の心が垣根を超えて触れ合うまでを繊細に見せてくれて心地いい。

テーマがクロスするところも多く感じた『わたしは最悪。』よりも、妊娠によって岐路に立たされる女性の姿が今作の方がもっと深く描かれていて。
主人公がさばさばしているとずっと見えて、感情発露させるシーンにはおっと思わせられました。
シッターの依頼主である母親もまた、自らがこうあるべきと思う母親の姿に苦しむ人。

何者にもなれない私はこの世に生まれてきてよかったのか?
求めてる幸せは他人の価値観なのか?
主人公からそんな思いが感じとれて。
解放されるのは簡単じゃないことだけど、
ダメでもいいじゃない、多様性があったっていいじゃないって、ちょっと前向きな気持ちにさせてくれる映画です。