Taji

セイント・フランシスのTajiのレビュー・感想・評価

セイント・フランシス(2019年製作の映画)
3.8

主演・脚本を務めたケリー・オサリヴァンが、グレタ・ガーウィグの「レディ・バード」に触発を受け生み出した本作。

等身大でリアルな苦しみを描きながら、ほんの少し自分の人生を肯定させてくれる映画。

周囲から数テンポ遅れている婚期、男性によって左右される避妊、女性にだけ負担がかかる中絶と生理、容赦なく襲い掛かる産後鬱…

女性の生きづらさと苦しみを大袈裟にならず、「こんなこと日常の一コマだけど。」と言わんばかりに卒なく描いているのが印象的。

主人公・ブリジットがナニー先のレズビアンカップルとその娘フランシスとの交流が本作の肝。

女性として、母としての苦しみと悩みがリアルで生々しく描かれているけど、見終わった後にはなんとも言えない温かさと多幸感が溢れる一本。
最後、特別感動的な何かがあるわけじゃないんだけど、ブリジットと同じタイミングでウルウルきた。

女性にはより刺さるのかな。

「女性の苦しみをわかったつもりでいる男性」にならないように気をつけたい。
本作をそのきっかけとして。

102
Taji

Taji