主演・脚本を務めたケリー・オサリヴァンが、グレタ・ガーウィグの「レディ・バード」に触発を受け生み出した本作。
等身大でリアルな苦しみを描きながら、ほんの少し自分の人生を肯定させてくれる映画。
周囲から数テンポ遅れている婚期、男性によって左右される避妊、女性にだけ負担がかかる中絶と生理、容赦なく襲い掛かる産後鬱…
女性の生きづらさと苦しみを大袈裟にならず、「こんなこと日常の一コマだけど。」と言わんばかりに卒なく描いているのが印象的。
主人公・ブリジットがナニー先のレズビアンカップルとその娘フランシスとの交流が本作の肝。
女性として、母としての苦しみと悩みがリアルで生々しく描かれているけど、見終わった後にはなんとも言えない温かさと多幸感が溢れる一本。
最後、特別感動的な何かがあるわけじゃないんだけど、ブリジットと同じタイミングでウルウルきた。
女性にはより刺さるのかな。
「女性の苦しみをわかったつもりでいる男性」にならないように気をつけたい。
本作をそのきっかけとして。
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