爆裂BOX

デッド・シティの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

デッド・シティ(2019年製作の映画)
4.4
ベネズエラで人間を凶暴化させるウィルスによるアウトブレイクが発生。医師アダムは義両親に預けた息子ミゲルの元へと向う為荒廃した街を進むが…というストーリー。
南米ベネズエラとメキシコ合作の亜ゾンビ映画です。内容としてはアウトブレイクが発生→道中様々な人と出会いや別れを繰り返しながら目的地を目指すというオーソドックスなものになっています。結構お金がかかっているようで、序盤のアウトブレイク発生のシーンが良かったですね。主人公が店から出ると事故った救急車を遠巻きにする人々と猛スピードで走り抜ける車、そして救急車から飛び出してきて野次馬に襲い掛かる感染者と日常が一気に非日常に切り替わるゾンビ映画の中でも盛り上がる発生初期のシーンが最高でした。
主人公が医者という事で戦うよりも逃げたり拳銃を撃ちなれてないから肝心な時に弾切れおこしちゃったりする所も何かリアルですね。ヒロインはWHOの女研究者になるんでしょうけどイマイチ存在感薄いですね。主人公の隣人のジョニーの方が相棒として存在感大きかったですね。最後も助けてくれますし。途中で出てくるイカレた親子は中々不気味で良かったです。そこから助け出した夫婦は奥さん妊娠してる設定出てきたから重要キャラかなと思ったらアッサリ感染者に襲われちゃうので肩透かしでしたね。
登場するのは「28日後...」の様な感染者でかなりのダッシュで追い掛けてくるので緊迫感あります。避難キャンプを襲撃してくるシーンでは結構な数の感染者出てきますし。お食事シーンやグロ描写はほぼないですね。
ラストはゾンビ物では珍しく解決の方向に進んで終わりますが、エンドロールで流れる生き残ったけど家族を全員失って一人になったり、ワクチンで治ったけど感染していたという事で職にありつけない難民達や難民の受け入れに反対する人のインタビューは今のご時世とダブって変にリアルに見えました。伝染病は収束しても事後処理で新たな問題が起きていくという。
ゾンビ物としては普通に楽しめる作品でした。ゾンビ映画ファンにはオススメしたいですね。