けーすけ

まともじゃないのは君も一緒のけーすけのレビュー・感想・評価

4.0
数学一辺倒で生きてきて“何が普通かわからない”予備校講師・大野(成田凌)と、そんな大野に“普通とは”を教える事になった生徒である香住(清原果耶)。それは香住の企む計画とともに進むのであった・・・





成田凌に清原果耶!もうこれだけで必見です。二人の掛け合いが最高に楽しい映画となっておりました。


成田凌が演じる予備校講師の大野は“普通”が何かがわからない。清原果耶が演じた生徒である香住からも「背も高くて見た目もいいのに…」と言わしめるルックスを持っているのに、言動や行動があまりにも普通ではない。

どのくらい普通ではないのかというと、大野に好意を持っている女性から「大野さんがいつも行ってるお店に行きたい」とリクエストされ、いつも大野が行っている定食屋に連れていくというトボけっぷりを発揮するほどに。
さらには“好きです”と告白されても「それ定量的にいってくれるかな?」と数学用語を真顔で言ってしまうような恋愛力ゼロ感。


このままだと普通に結婚できないんじゃないか、と危機感を覚えた大野は香住に「普通っていうものを教えてくれ!」と頼み込む。そして香住による恋愛指南が始まるのだが、それに乗じて香住の憧れの存在である実業家の宮本(小泉孝太郎)の婚約者・美奈子(泉里香)に大野を接近させ破局させようというトンデモ計画を実行する、といった感じのお話。





プロットとしては目新しさは無いのですが、主演二人のマシンガントークのような会話劇がほんとに息ぴったりで凄い!!でも会話の内容は全然噛み合って無いという突き抜け感が最高に笑えます。

劇中シーンの一部としては、大野が美奈子に接近する為の準備として、美奈子の姉が営むお店に二人で行くくだりがあるのですが、そこのお店でのやり取りや大野がお皿を選ぶ時のセリフがめちゃ笑えます。会場内みんなが声出して笑ってるって体験が久々で楽しかったですね。



そして本作、劇中での“普通の”“普通に”“普通は”と普通ってセリフが恐ろしいほどに出てきます。仕掛けというか狙いの一つなのでしょうが、観ている側は「大野はたしかに普通じゃないかもしれないけど、でも普通って一体何なんだ?」となる事間違いなし。


普通の男になれるよう恋愛指南をする香住も、実の所は恋愛経験が無いってのも面白く描かれており、宮本や美奈子に接近する際もネット情報やSNSを駆使して相手を調べるネットストーカーばりのやり口で、もはや香住も普通じゃない、という。笑


二人のセリフの応酬だけでも楽しめますが、「普通とは」を考えながら観るとより面白くなる映画かと思います。




成田凌:かなりのセリフ量をトボけた演技でこなす、数学オタクの変人になってました。どんな役でも憑依して演じるさまは本当に安心して観ていられます。食事シーンで、白子がわからない、イクラもわからないと、どこまでが本気なのか全然不明な演技、最高でした。


清原果耶:そんな成田と息の合った演技をバッチリと。そしてたぶん2時間、いや24時間ずっと眺めていても飽きないと思わせるような存在感。とある人物に肩をワシっと掴まれた時の表情変化、凄すぎて感動でした。
酔っぱらったような演技をするシーンもあるのですが、何をやらせてもハマるコメディエンヌっぷり。んもう大好き!!カラオケシーンではあまりの可愛さに悶絶でした(カラオケの選曲もツボなので要注目です)。


小泉孝太郎:爽やか笑顔のクズ(誉め言葉)。キーワードは「女子高生はマズい」笑。でも何気に本作では(クズ的な意味合いで)一番普通なキャラだったかも?笑


泉里香:めっちゃキレイ。あんな人が結婚相手になるなら大切にせなアカン!





観終わってから調べた、普通の対義語は“特殊”や“特別”。タイトルとかけあわせると「なるほどな~」となりました。(そこまで狙ってはないと思いますが)


不幸や悲劇のない、笑って楽しめる映画としてオススメです。
あぁ、果耶ちゃんに恋愛指南してほしい・・・


2021/03/02(火) 試写会で鑑賞。一ツ橋ホール 11列19番
[2021-025]
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