マチ

まともじゃないのは君も一緒のマチのレビュー・感想・評価

3.4
「普通」でない成田凌の仕上がりがまず良い。かなり推進力のある演技で、どこにでもいそうでありながら「こんな人どこにもいないよ!」な加減がエンタメとして楽しい。

経験値はないのに「普通」を説く、背伸びする清原果耶のキャラ。この国のカルチャーが五十年培ってきた「ラブコメのマナー」が高度に備わっている。個人的にはシリアスよりも、コメディエンヌな彼女をこれからもっと見たい。

特筆すべきは小泉孝太郎。本作は小泉孝太郎の正解が導き出されていた。ほとんど意味のないことをでかい声で吠える、どこぞの政治家に似た軽薄な実業家をクールかつセクシーに取り組むことに成功している。

主役の二人がバストショット多めに対して、泉里香さんは体のラインの出る衣装でのロングショット。あえて違いを出しているのだろう。登場するたびハッとさせられた。

ただし、そのバストショットの多用が会話劇のテンポにあっていたのかは疑問。
四コマ漫画のコマ割りのように見える時があって、会話スピードに並走せずに、ある種のほのぼの感を画面に浸透させてしまっているように思え、そこは少し残念に感じた。

「新スタートの連ドラ、一話目拡大スペシャル!ゲストは泉里香」みたいな作られ方にもみえなくもないが、ラブコメをベースに、人は誰もが「まともでは括れない多元的な存在」としてあらわそうとする本作には好感が持てた。
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