Aya

ペルシャン・レッスン 戦場の教室のAyaのレビュー・感想・評価

3.4


#twcn

129分もあるんですけど100分くらい寝てましたw

いや、映画が面白くないとかじゃないと思うけど映画で寝るなんて本当何年ぶりかしら…

普段アップリンク京都さんでこんなに混んでいることは滅多になくたくさんの人が同じシアターに入って行くのでつられて入ってみました。

別の作品を見に来たのですがなんとなく。

基本前情報を何も入れないで映画を観るので"なんとなく"で選んだことを後悔したことはないです。

それより"予期せぬ出会い作品との出会い"の方が大好き。

なんとなく""時間が合うから""観たい作品まで時間があるから"など特に理由もなく観る作品が多いです。

映画との出会いは偶然に…💕
(まぁ、結果今日組んでたスケジュールの2作品両方観れなくなったんですけどねw)

主人公の自称ペルシャ人の男の子…"B.P.M ビート・パー・ミニット"の子やんか!!

超陽キャのパリピやん‼︎
フランス人やったやん!!

ドイツ語話してたけど調べたらアルゼンチン出身なんですって…てことはフランス語だけじゃなくスペイン語も話せる??

ヤバいどうしよう…

※俳優のナウエルさんがマルチリンガルでも京都弁しか話せない一般人のAyaさんはどうもしないです

で映画はユダヤ人でナチスの収容所に連れて行かれる途中で「自分はユダヤ人ではなくペルシャ人です!外国人です!!」って手を挙げたらちょうどテヘランでレストランを開く夢を持つコッホ大尉の目に留まり彼にペルシャ語を教えることに…

収容所では料理係として比較的しんどくない仕事しつつ終わったらコッホ大尉にペルシャ語を教える生活。

ただ、彼はペルシャ語分からないんですよ!!
ペルシャ人てのは生き残るための嘘なの。

だから勝手に言葉を作ってデタラメなペルシャ語をコッホ大尉に教える。

だんだんテキトーに作った俺語a.k.a教えるペルシャ語のネタが尽きてきて作っても覚えられないどうしよう!!ってなった時に大尉の贔屓でもっと楽な囚人名簿の作成(記録)という仕事をもらう。

それを丁寧にノートにまとめながら、収容所にやってくるユダヤ人の名前をペルシャ語っぽい発音に変換して言葉を作り出すことを思い付く!

早く言葉を習得したい、と張り切るコッホ大尉には効果覿面。

言語を習いながら従順なジルに徐々に心を開いてゆくコッホ大尉とどんどん囚人仲間が死んでゆくジル…

相入れるわけないねんて。
「仲良くなれた」と思うのはいつも"支配してる側"なんだよ…

美味しいもの食べてても「恵んでやった」と思ってるんでしょ?

楽な仕事を斡旋したり自分の心のうちを見せることで「気を許してやってる。お前も気を許せ」って言いたいんでしょ??

"支配される側"の気持ちなんて分かるわけないってことに気付かない愚かさ加減は劇中ジルが台詞でコッホ大尉に言いますよね。

「名も無き彼らの死はあなたの死より気高い。あなたたちと違って人殺しではないから」

ナチスは「党」やったから国のドイツ兵ともまた違うやん…自らすすんでハイル・ヒットラーと叫びながら人殺してるわけやろ??

このコッホ大尉というナチスに入る前はシェフやったというキャラクター。

自分のせいで不仲になり音信不通の兄が住む街でレストランを開きたいという願いは一見切実にも見える。

ただ彼がそんなに大切に思う兄との仲違いを圧してもナチスに入党した理由は…

モラトリアムのまま偉い気になって出世し、得た権力で良い人ぶってそのような振る舞いを「支配するモノ」に見せることで「寛容な自分」に酔っているように思う。

ラストのあの分かれ道は「なぜ一緒に行かないのかな?」と思ったけどきっと「ジルは自分と一緒にいたくないだろう」というやはり極致的な心遣いにはなってしまっているが多少なりとも救いかも。

そしてラストの展開は涙なくしては観れない。

「不可能だ」

普通の人はね。
普通の状況ならね。

でも彼は極限状態でそうするしかなかった事情で自分でも望まない記憶がかけがえのないものに昇華される。

当事者のジルは救われない。
いや、悲しいけどもなかったことにしないだけ良かったと思ってるのかな?

ただあのような事ができるという事自体がどれだけの負担と悲しみを彼の心に刻んだか…そしてそれにより多くの人が少しでも救われるという事実…

戦争は何も生まないし虐殺は不幸しか生まない。
レストランとか調子こいてんじゃねーよゴミが。って感じでした。

まぁ、100分くらい寝てたのでw


日本語字幕:加藤 尚子
Aya

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