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ペルシャン・レッスン 戦場の教室のpenのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

生き残る為にペルシャ人だと自らを偽り、全く知らないペルシャ語を自分で作って、ナチスの大尉に強制収容所でペルシャ語を教える日々。サスペンス仕立てで始まった嘘のペルシャ語の持つ意味が、強制収容所の日々と交錯し重たくなっていくのがとても良かった。

看守達の感情の矛先が収容所に入れられてしまった人々へ向けられ、暴力などの形に変わっていくのが支配構造が印象深い。そして組織内にもそうした力関係が存在していることへの目配せも忘れていない。

コッホ大尉の描き方が良い。無自覚な権力者、誰もがこうなりえる可能性の提示など、この人について想像・分析するのでも掘りさげる余地が色々ある気がする。
二人の関係の描き方のさじ加減が絶妙だった。
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