なだ

ペルシャン・レッスン 戦場の教室のなだのレビュー・感想・評価

4.2
アインシュタインの「人間は潜在能力の10%しか引き出せていない」という言葉の引用から「人間の脳は🧠は10%しか使われていない」という誤解が生まれたそうで…今作は多分10%どころではない🧠使用率

実話に基づく物語。

嘘のペルシャ語を創り出し、ユダヤ人収容者2840人の名前を暗記したジルの頭脳は極限状態が生んだ奇跡なんだろう。

ペルシャ人だと咄嗟についた嘘でナチスからの銃殺を免れ、全く知らないペルシャ語をナチスのコッホ大尉に教える事で助かるジル。
ユダヤ人虐殺から生き残ったその奇跡の造語はこの作品の悲しい核でもある。

『アーニャは、きっと来る』でも一人のナチス将校の人間味が表現されていたが、部下から恐れられるコッホ大尉もジルに対して師の敬いと友情を感じて厚遇する人間性が表されている。
ナチスを憎み皆殺しの作品を撮ったタランティーノ監督の時代から少し変化があるのかなぁと思う次第。

自分が大尉から贔屓されているのを決して良しとしていないジルの苦悶する表情が心に残る。
なだ

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