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Los conductos(原題)
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『Los conductos(原題)』に投稿された感想・評価

[髭面ノ怪人、夜道ヲ疾走ス] 90点

夜の道をバイクでひた走る髭面の男。誰もいない真夜中のトンネルを白い電灯が煌々と照らし、光の届かない夜は真っ赤に染め上げられている。長らく短編映画を製作し続けてきたコロンビアの映画作家 Camilo Restrepo の初長編作品であり、今年のベルリン映画祭のエンカウンター部門に選出された作品でもある本作品は、そんな幻想的な夜で幕を開ける。冒頭で男を射殺した髭面の男ピンキーが、夜には逃げ回り、昼には仕事をするという実に奇妙な映画で、特に夜のシーンはフィルムで撮影されたレトロな色調と陰影が相まって、近未来のディストピアを覗き見ているかのような視覚的な面白さがある。翻って昼の場面で、彼は違法Tシャツ工場の機械的な労働の一端を担っており、無表情で無地のTシャツに有名スポーツブランドのロゴを刷っていくのも、また別のディストピアのように思えてくる。それら昼夜の乖離を結ぶのは顔面戦闘力高めの髭面怪人ピンキーである。彼の存在感で映画の3割が出来ていると言っても過言ではない。

瓶の蓋を腕に押し付けて跡を付けたり、顔を白塗りにして通りをゴーカートで爆走したり、殺人を発砲音と回転する懐中電灯だけで表現したり、炎の柄の布を揺らして"炎"を表現するなど脈絡の有無に関わらず強烈な強度を持ったショットに囲まれており、次のシーンになるごとにその驚きは大きくなる。終いには巨大なピンキーの被り物まで登場して、画面のカオスさは極大を迎える。

物語が小難しくてあまり理解できてないのが悔しいが、これは中々の傑作。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

2.8
【コロンビアのノワール】
ある暗殺者の暗躍を描いたコロンビア映画。暗闇に銃を放ち、回転するライトや、炎の柄を印刷する怪しい工場など破壊力のある画は凄いがイマイチ乗り切れず。