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GUNDA/グンダのmasaのレビュー・感想・評価

GUNDA/グンダ(2020年製作の映画)
3.9
あまりにも神聖な映像美。
家畜の豚を映してるだけなのに何故にこんなに美しいのか。
ナレーションやBGMはいっさいなし。なるほど、これは余計な音はいらないと思った。豚たちの鳴き声や、周りの音だけで物凄い臨場感だ。

農場に暮らす動物たちの深遠なる世界を、斬新な手法で叙情豊かに描いたネイチャードキュメンタリー。
とある農場で暮らす母ブタ「GUNDA」。
生まれたばかりの子ブタたちが、必死に立ち上がり乳を求める。
一本脚で力強く地面を踏みしめるニワトリや、大地を駆け抜けるウシの群れ。
研ぎ澄まされたモノクロームの映像と驚異的なカメラワーク、人工的な音楽及びナレーションを排した迫力の立体音響で、動物たちの本質に宿る美しさや躍動感あふれる生命の鼓動を映し出す。
ビクトル・コサコフスキー監督。ホアキン・フェニックスが製作総指揮。

産まれてまもない子豚たちが、お母さん豚のお乳を先を競って吸い付く姿は正に生命の崇高さを感じる。
モノクロの映像がきれいすぎる。
紛れもなくアートな作品だ。
この作品に言葉はいらない。
この崇高な世界を素直に体で感じるしかない。

生きるということは、人間だって動物だって同じだ。ただ必死に生きている。
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