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サイモン・バーチのTJのレビュー・感想・評価

サイモン・バーチ(1998年製作の映画)
3.5
無垢な少年たちも決して口には出さない、声にならない思いがありました。

ジョン・アーヴィング『オーエンのために祈りを』を基に。先天的に体が小さいサイモンと、私生児ジョーの紡ぐ絆。サイモンの屈託のない笑顔、ジョーの純粋さ。希望や友情を見出していく姿は、フォレスト・ガンプやスタンドバイミーのよう。

大人もお手上げなほど敬虔な信心を持つサイモンは、自身の運命に従順で誠実な少年。ジョーもまた彼の良いところを吸収し、互いを補い高め合う特別な関係。

大人になってしまった私たちは置かれた環境を嘆くばかりで前進をためらう。

小さな体で必死に生きる。彼らにはその道しかないから。出生を呪うこともせず、愚痴をこぼすこともしない。振り返らず健やかにまっすぐに。

ネグレストなサイモンの両親や、頼りにならない神父よりも、
偉大なベンが居たことで、大人も心が救われました。

あの彼の声を僕も一生忘れない。
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