大学受験を控える高校生の濱田清澄(中川大志)は、全校集会で強烈ないじめにあっていた1年生の蔵本玻璃(石井杏奈)を見かけた。いじめを見過ごせない清澄は何かと玻璃の事を気にかけて、いじめから助け出そうと尽力する。玻璃の持つ魅力に気が付き徐々に彼女に惹かれていく清澄であったが、玻璃には誰にも明かせない秘密を抱えており・・・
中川大志、石井杏奈、清原果耶が好きな方でしたら必見な映画でしょう。
北村匠海も出演しますが、登場時間は短いので期待して観ると「あれ？」ってなります。
レイティングがPG12指定という事で、少しだけバイオレンス＆流血な描写があります。
以下、長文感想ゴリゴリと。核心ネタバレはありませんが、本編内容には触れてますので未見で気にされる方はご注意ください。
最初に“真っ赤な嵐”(北村匠海)のモノローグから始まるので、彼が物語に大きく絡んでくるのかと思っていたのですがその後は「あれ？」っていう感じで出てこない。これは彼のモノローグと映し出されるシーンを注視していれば物語の根幹が理解できるかと思いますが、分からなくても終盤に「おおっ！なるほど～！！」となれる部分です。むしろ何も知らず＆分からずに観た方が感動は大きいはず。
そして清澄(きよすみ)が玻璃(はり)へのイジメを目撃してから二人の物語が始まります。
ゴミを投げつけられたり、机を蹴っ飛ばされたり、トイレに閉じ込められて水をぶっかけられたというイジメの内容が強烈で見ていてツラかった…。僕自身いじめられた経験もあるので映画とはいえ心にグサグサきたところ。
イジメを「ギャグじゃん」「こんなのネタだしみんな笑ってるじゃん」と言うイジメている側の言葉と空気、怖すぎる。イジメ、ダメ、ゼッタイ！！
玻璃が壮絶なイジメの対象になってしまった理由は不明でしたが、清澄が持ち前の真っすぐさから玻璃をイジメから助け出そうと尽力して、さらには玻璃の可愛さと面白さに気が付き、あっという間に惚れ落ちてしまう、というのが前半部分。
清澄が後輩からヒマセン(暇な先輩)と言われようが、周りの目なんか気にせず愚直に玻璃を助けるってところがかっこいい！出会ってすぐに玻璃のことを「はりっ！」と呼び捨てで呼ぶくらいな真っすぐさ・・・！ちょっと青くて痛い、けど脆くはない！←(特に某映画との関連はありません)
見どころは二人がインスタントのおしるこを食べるシーンと、登校途中で二人が歩いているところに清澄のクラスメイトである尾崎・姉、の妹(清原果耶)が話しかけてくるくだり。最高でした。うっす！
後半、玻璃の秘密に迫っていく展開なのですが、ここから一気に映画のテイストが変わって驚きでした。恋愛映画と思っていたのにまさかの！という、なるほどPG12指定…。
てっきり清澄が玻璃をイジメから救い出してラブラブ～(死語？)ってな展開になると思っていたのに～！！
といった感じで、キュンっとできる部分もありつつ、意外な展開でベタな予想を覆され楽しめた内容でした。
ステキなシーンはいっぱいあるのですが、清澄が玻璃をトイレから助けるシーンや前述のおしるこシーン等「良いシーンなのにちょっとダラダラと長すぎー！」という冗長さが目立ったのが残念なところ。
あと「それ、先に警察に連絡するところじゃん…」ていうところと「真冬なのに池でそれって…」など、ついツッコミたくなる荒い描写部分が惜しかった。
濱田清澄を演じた中川大志、さすがに高校生役は少しキツく感じたけど、そのあたりは持ち前の演技力でカバーする実力派。真っすぐ爽やか好青年を演じさせたらバッチリとハマるのはさすがの一言。
清澄の後輩である高校1年生・蔵本玻璃役の石井杏奈。たまに演技感が滲み出る気はするのですが不思議な魅力のある女優で注目している一人。もしこんなかわいくて面白い子がイジメにあっていたら全力で助けるよ！！
清澄のクラスメイトの尾崎・姉。松井愛莉。出演時間は短いながらもカタコト的単語で喋る面白さはインパクト大！よい爪痕を残していきましたね～。
そんな尾崎・姉の妹役、清原果耶！今や注目株ですが撮影時期的には2019年頃なのかな？ちょっと幼い感じがありつつも、尖ったキャラがめちゃキュートでした！うっす！魅力大爆発です。うっす！
玻璃の父役である堤真一。何を言ってもネタバレになりそうで説明が難しいのですが、登場した瞬間に「ああ、こいつはヤバい奴や…」という空気感の纏い方、流石で圧巻でした。物語的にはこの親子のバックボーンをもう少し掘り下げてほしかったなあ。「ワチャワチャすんなっつってんのに」というセリフが怖すぎでした。
荒い部分もあったり、途中から毛色がガラっと変わるので好き嫌いは分かれそうな映画だと思います。でも個人的には主演二人と清原果耶が好きであれば観て損はない映画かと思いました。
「愛には終わりがない」を体現し、“砕け散るところ”とは一体。ぜひその目で確かめてください。
2021/02/12(金) cocoの特別オンライン試写で鑑賞。https://coco.to/
[2021-020]
