けー

ワインは期待と現実の味のけーのネタバレレビュー・内容・結末

ワインは期待と現実の味(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ソムリエマスターになる夢を追いたい息子と後を継いで欲しいお父さんとのオーソドックスな家族ドラマ。

とくに目新しいことはないけれど、笑って泣けてほんわかと心温まる普通の家族の物語。

ごくごく普通のアフリカン・アメリカンの家族の物語。

主人公がソムリエの世界に飛び込み、白人の友人たちと仲間となり助け合ったり。

ステレオタイプなイメージを脱却する試みをみてきた中で、こういう作品が出てくるようになったというのはとてもいい兆候だと思う。

家業を継ぐかどうか、お父さんと息子がお互い思いやっているのにすれ違っている感じのもどかしさがいい感じ。

お母さんをめぐるエピソードとお父さんと息子の関係のバランスの変化の描き方がすごく現実味があるというか、自然でいいなと思った。
辛いんだけど、でもそのあたりのことも湿っぽくなりすぎることなく。突然Dream come true!みたいな展開にならないのもよかったと思う。

「Boyz n the Hood」→「Baby Boy」→「The Last Black Man in San Francisco」と最近立て続けに見てきた身からすれば、ああ、もうこういうところまで時代はきているのかと感無量。

マスターソムリエの資格をとるための勉強ってこんな感じなのかーとそういう物珍しさも手伝って面白かった。

邦題...なぁ。
邦題から受ける印象よりもずっといいドラマが期待できると思うので。

オーソドックスなんだけど。
オーソドックスができるところまできたっていう喜ばしさという感じで。
黒人の人がメインのドラマだとどうしても人種問題のことを重く語ってくるのかと身構えてしまいがちになると思うのだけれど、そういうのは全然抜きで。

万人に優しいドラマ。
けー

けー