桃

ワインは期待と現実の味の桃のネタバレレビュー・内容・結末

ワインは期待と現実の味(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

2022年21作品目。

ワインを普段飲まない兄弟から、「飲みたくなった」
と勧められた映画。

確かに、飲みたくなる。
主人公のエライジャ風に言うと、"Jay-z"を飲みながら鑑賞。

原題はUNCORKED
ワインのコルク栓を抜く(ここでは物語の始まりの比喩も兼ねているか)や、"感情を吐き出す"等の意味。

BBQ店を引き継がせたい父親と、引き継がずにソムリエになりたい息子エライジャ。
2人の仲を母親が取り持ちつつ、息子の夢を応援する。

作品の中で何度か、主人公が言われるのが、
-出来ない理由を並べているだけ
本当にやりたいことなら、理由を並べずに挑戦すればいい

結局は失敗することを恐れているのか?

母親、友人やガールフレンドから背中を押されながら、ソムリエの勉強を続け、パリ留学にも行く。

母親の死を機に実家に戻り、父の仕事を手伝おうとするが、父親も、生前に母親が応援していたように、息子の夢を尊重するようになる。

好きなシーンは、
父親のルイスがエライジャが夢を諦めなくていいように、お店の仕事の傍ら、
エライジャの試験勉強のテイスティング練習に付き合ってあげていたところ。


あとは
エライジャの試験発表の前日、
-母さんが生きていたら、きっとこうしていただろうから
といって、エライジャの泊まるホテルまで、ワインとドミノゲームを持って、ドアをノックするところ。

エライジャはまだまだ青いし、視野が狭い。
若いのだから気にせずに自分の夢を追いかける権利もあるけれど、父親のルイスも「黒人の子どもに教育をすることはとても尊いことだ」と過去に教師を目指していた。
自分が父親の跡を継ぐことを選んだように、エライジャにも先代からの店を守って、引き継いでほしい。
ただし、最終的に夢へと真っ直ぐに駆け出すエライジャを送り出す。
親の心、子知らず。

エライジャには、ソムリエという目標を達成するのも大事ですが、接客、テーブルに座る人が楽しめるためのマインドセットは持ち続けて欲しいなと思います。
(それで言うと、冒頭のターニャに「ヒップホップは好き?」とワインをラッパーにたとえて案内していたときのマインドセットは完璧だったとおもう。)
桃