ボブおじさん

リトル・ガールのボブおじさんのレビュー・感想・評価

リトル・ガール(2020年製作の映画)
3.7
幼少期のトランス・アイデンティティに対する認知と受容をめぐるフランスのドキュメンタリー。男の子の身体に生まれたが、女の子になることを夢みている7歳のサシャ。家族はそんな彼女を支え、個性を周囲に受け入れさせるため、学校や社会へ働きかけるのだが……。

サシャが性自認に悩み、産み育てた親も悩み、葛藤していく姿が生々しく映像に映し出される。

ジェンダーとは、出生時に判断される「性別」とは違って、自己理解と自己認識に基づき「自分は何者なのか」を思考して見いだされた性別のことだが、厄介なのは、出生時に判断される「性別」を基に世の中のルールや認識が固められていること。

そこから逸脱すると〝変わり者〟〝○〇らしくない〟ひどい場合は病気だと見做されてしまう。単なる個性だというのに。

フランスの現実を映し出してはいるが、日本とて大差ないのではないか?

この〝無知が招く偏見〟に対しては、世の中の多くの人が学習し理解していくしか解決方法はないのかもしれない。

その為には、難しいテキストを読むよりもこの映画を見る方が近道かもしれない。