7歳のトランスジェンダーの女の子に”頑張っても無駄”なんて言わせて泣かせてしまう世の中、流石にまずいと思う。
サシャというフランスに住む少女のドキュメンタリー、生まれてきた身体の性と心の性がちがうことに2歳を過ぎた頃から気付き、周りに訴えるも、トランスジェンダーという存在の認識があまり進んでおらず、罪悪感に苛まれる母親や、嫌悪が前提で知ろうともしない学校や周囲の大人たちが彼女を苦しめる。
幼いにも関わらず立派な意志を持っているのに、何故それを無視するのか。自分は性認識に疑問を抱くことの無い人生を送ってきたので、こうしてマジョリティが築き上げてきた仕組みにはじき出されてしまう存在をみると悲しくてたまらない。実際受けたいじめ等に対して言葉を詰まらせ、段々目を潤ませていく姿はあまりにも辛い。彼女は不当に傷を付けられすぎている。
許す許さない、認める認めないの議論が色んな所で為されているが、そもそも誰も他者、他の人生をジャッジできる立場にいないということを知らない人がこの世には多すぎるなと改めて感じました。寛容さは義務教育だけでは身につかない?
一緒に闘うご両親やサシャを支える姉や兄弟たちが美しく、お兄ちゃんの言葉がすごくよかったです。
”やられっぱなしはダメだ、バカとは闘わなきゃ
黙ってたら何も変わらない”