スコセッシフォールド全開

チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ーのスコセッシフォールド全開のレビュー・感想・評価

3.5
野蛮、アナーキー
彼らはごく普通の人間ですよ、が根底にある。家族がいて、泣いたり笑ったりする感情があって(それが絶対的な人間の構成要素だとは言わない)。果たして自分たちと何が違うのか。なんの罪に問われて拉致拷問をされているのか。
入手した暴力記録資料映像と交互に見せることで鑑賞者の倫理に訴えかける。痛ましい現実を嫌でも認識させてくる。
デジタル加工を外す勇気。反ゲイ弾圧のシンボルになる勇気。多くの人を救うことになるけど、同時に死ぬまで標的にされるあまりにも大きな犠牲。他の方々の沈黙は罪ではない。一方で責任の矛先はロシア、アメリカ、国際社会へ。人道的介入の是非を問う。